雪で電車が止まる理由や原因は?基準や動かない時の対処法についても

雪で電車が動かなくなって、寒いのに冷や汗をかいたことはありませんか?

関東の冬の朝は寒くて起きるのも大変だというのに、雪で電車まで止まるとは。

元々行きたくないなら「なんてラッキー!」と思うかもしれません。

しかし、大事な用事がある人は「なんてこった!」と慌てるでしょう。

雪に慣れていないと、電車が動かない時はどうやって目的地まで行けば良いのか分かりませんよね。

そもそも、電車はどのくらいの雪で止まるのでしょう。

今回は、関東で、雪によって電車が止まる基準や、電車が止まったときの対処法について紹介します!

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目次

雪で電車が止まる理由や原因

雨の中でも運行できる電車ですが、なぜ雪では止まるのでしょう?

車なら滑ってしまうのも分かりますが、電車はレールの上です。

滑ることはあっても、スピードに注意すれば脱線もしないと思いますよね。

滑るから止める、というなら、雨の日だって止まります。

雪で動かないのには別の理由があるのです。

その原因についても説明します!

雪で電車が止まるのは、除雪できないから!

関東に住んでいると、積もるほどの雪は見られないかもしれません。

栃木や群馬、山梨であれば、積雪もありますが、東京・神奈川・千葉ではなかなか積もらないのです。

そのため、レールの雪対策があまり進んでいません

年中温かい南国で、雪かき用のシャベルを準備しようとは思わないのと同じです。

レール上の除雪ができないと、どうなるのでしょう

レールに雪が積もれば、レールが凍ったり、レールの隙間に雪が詰まったりします。

すると、レールの上で車輪が空回りしたり、線路の切り替えが上手く出来なくなったりするのです!

目的にたどり着くのに、時間がかかりすぎる、そもそも目的地までのレールを作れない、ということ。

電車を走らせるわけにはいきませんよね。

過去には、除雪が充分でなかったがゆえに、新幹線が雪の吹き溜まりに乗り上げて脱線したこともありました。

電車は関東では重要な移動手段ですから、「頑張って雪対策してよ!」と思うかもしれません。

しかし、一筋縄ではいかない以下の原因があるのです。

1.除雪や融雪するための費用がない
2.除雪する時間がない

どういうことか、説明します。

 

除雪するのにはお金がかかる!

レール上の除雪方法を知っていますか?

雪国では以下のような除雪・融雪作業を行っています。

・除雪車による雪かき
・レールに仕掛けた装置による除雪と融雪
-空気圧で線路の分岐器(ポイント)付近の雪を吹き飛ばす
-熱風を出す装置で、雪を解かす
-温水をレール上に循環させる装置で雪を解かす
-レールの下にマットヒーターを敷いて、融雪
・柵や屋根によるレール周辺の積雪予防
・人力・除雪機による除雪・融雪
-定期的なレール周辺の除雪
-融雪剤の散布
-車両の雪を除雪・融雪
-トンネル内の氷結を除去

除雪と言ってもこれだけ方法があるのですね。

しかし、運用には費用が掛かります。

レール上の雪を除雪しながら走る「ラッセル車」は有名ですが、何台も保有できるわけではありません。

巨大な除雪機を購入するのには何千万も必要です

また、レールの分岐器に設置する装置も、台数が雪国とは大いに違います。

雪国である新潟では、千台ほどの設置が必要だったようです。

一方で、東京の首都圏は分岐器が4千台ほどあり、新潟の4倍もの装置台数が必要になります

ただし、首都圏でも分岐器の半数ほどには、融雪装置が備わっているようです。

現在の状態に至るまでに何百億も投資されていますが、それでも半数と考えると、多大な費用が掛かることは明白でしょう。

温める装置は維持費にもお金がかかるため、容易に設置も出来ないのです。

もし、無理をしてでも設置した場合、運賃が上昇する事態にもつながりかねません。

 

走る電車が多くて、除雪する時間がない!

関東は電車の数が多く、電車で通勤する人も多いですよね。

しかも、首都圏では分単位でダイヤが組まれ、朝早くから夜遅くまで電車が走り回っています。

 

いつ除雪すればよいのでしょうか?

分岐器周辺に融雪装置があっても、その間の線路まで対処できません。

線路全体の除雪を装置だけで行うには、費用的に難しいのです。

そのため、人力や除雪機、除雪車による除雪が必要になります。

田舎の鉄道であれば、走る本数も比較的多くないため、時間的に余裕はあるかもしれませんが、首都圏では時間が足りません。

何千kmもある線路を、朝のうちにすべて除去するには人手も足りないでしょう。

以上が、関東、特に東京の電車が雪で止まる理由でした。

関東は電車の数が多い分、雪には弱いのです。

いつかは完備される日も来るかもしれませんが、時間的・費用的に、早急な対応は難しいでしょう。

だからといって何もしていないわけではありません。

最終電車の後も、1時間ごとに空の電車を走らせて、雪が積もるのを防いではいるようです。

しかし、全ての電車を動かせるわけではなく、動かす電車自体も劣化が進んでしまうため、最善の策とは言えません。

ならば、雪で電車が止まる前に、個々人で対策するしかありません。

そのために、雪で関東の電車が止まる基準について知っておきましょう!

雪で電車が止まる基準

雪によって電車が運休することは確かにありますが、基準はあるのでしょうか。

まず、運休の規制について調べると、風による影響での運休は決められていました。

 

強風による運休は基準があって明確

JRではレールの周りに柵など、防風設備があるなら「風速30m/s以上」、防風設備がないなら「風速25m/s以上」で運休になるそうです。

その他の鉄道会社でも、「風速30m/s以上」では運休になります。

因みに、平均風速25m/s以上とは、何かにつかまっていないと立てない状況で、走っているトラックが横転するほどです。

天気予報では20m/s以上で「非常に強い風」、30m/s以上で更に強いと「猛烈な風」と報道されます。

台風の時ぐらいしかないと考えていいでしょう。

 

雨は降雨量よりも土砂災害が起こりやすいかどうかで決める!

また、雨による運休は、降雨量ではなく、「実効雨量」によって判断しています。

「実効雨量」とは、雨が降ることで、どれだけ土中に水分が残るかを表したものです。

実効雨量を調べることで、土砂災害が起こりやすくなるかどうかを推測することが出来ます

雨量よりも土砂災害が起こりやすいかどうかが判断の基準と言えるでしょう。

以上のように、天気に関することについては基準がありますが、雪に関するものはありませんでした。

そこで、過去の運休のニュースを調べてみました。

 

関東圏の鉄道は、積雪10センチ以上で、本数の減少や運休する鉄道線が増える?

2018年の1月に、東京では積雪20センチほどの「大雪」で、鉄道でも多くの運休が出たのは有名な話です。

栃木でも積雪量が20センチ程度になると運休する鉄道が出ていました。

2016年の鉄道会社による報告では、東京の最大積雪量が6センチほどでも青梅線では本数が半分を下回るほど減っています。

(以下の話は2016年頃の話ですので、ご注意ください。)
東京以外の県では、10センチ以上の積雪になると運行本数が5割を下回ったり、一部運休が出たりしていました。

首都圏でも、数センチ程度では運休しませんが、運行本数が1~2割程度減る傾向はあるようです。

データは少ないですが、首都圏では少しでも雪が積もったら、本数が減る可能性があるため、運行情報のチェックが欠かせません。

最大積雪が10センチ近くになると、首都圏では本数が半分近くになる場合もあるようです。

その他の関東でも10センチ以上になると本数が減ったり、運休になる場合もあります。

関東で運休になる可能性が高いのは、20センチ以上と考えるといいかもしれません。

過去の運行状況を整理しただけですので、参考程度にお願いします。

詳しい運行状況は以下の資料で確認してください。

各社の対応状況等: https://www.mlit.go.jp/common/001116925.pdf

 

積雪による災害によっても運休はあり得る

実効雨量を参考にしているところから、災害の起きやすい積雪だと判断した場合も運休になるでしょう。

山沿いのレールであれば、雪崩で線路が埋まることもあります。

レールの近くに木々がある場合には、積雪でレール上に倒れてくる場合があるでしょう。

レールが走っている周辺によっても、運休する基準は変わるはずです。

また、関東でほとんど雪が降らないのは、東京、茨城、千葉の海沿いです。

もし雪が降った場合に、運休になりやすい地域とも言えるので、注意が必要でしょう。

雪で電車が止まった時の対処法

実際に雪で電車が止まったらどうしたらいいのでしょう。

運転の見合わせで、遅延が生じる程度であれば、5~10分ほど待つのが無難です。

5~10分以上の遅れで遅延証明書を発行してくれる場合が多いですので、職場や取引に遅刻してしまいそうな場合には積極的にもらっておきましょう。

また、復旧に時間がかかる場合は、「振替輸送」が実施される場合もあります。

振替輸送で、買い替えせずに目的地まで移動する

「振替輸送」とは、特定の区間内において、現在持っている切符を使って他の鉄道線で目的地に向かう電車を利用できるサービス。

運休や運転見合わせになる前に改札から入場した人を対象に行っています。

切符の買い直しや返金手続きを省くことが出来るため、助かります。

利用する手順は、
1.運休になった会社の駅員に乗車券を見せ、「振替乗車票」をもらう
2.振替輸送先の駅で、乗車券と「振替乗車票」を見せる

ただし、以下の条件がありますので、注意が必要です。
・運休後に改札内に入場すると利用できない
・入場前の切符は対象外
・乗車券やIC定期券を改札にタッチ及び、投入しない
・ICカードを利用した場合には、振替輸送はできない(IC定期券なら可能)
・振替輸送できる区間はその都度案内されるため、目的地までとは限らない

要は、改札入場後に運休になった際に、他の鉄道会社の指定された区間内であれば、買ってしまった乗車券で移動できるということ。

会社によってルールは多少異なりますが、「振替輸送」という手段はあることだけ覚えておくと便利ですよ。

地下鉄は雪に強いけど、どこにでもあるわけではない

しかし、雪は天候ですので、他の鉄道会社も運休する可能性はあります。

最も雪に強い電車は地下鉄です

都心では特に東京メトロ銀座線が、地上に出ないため、雪に左右されない電車と言えるでしょう。

ただし、雪の際は、混雑する可能性が高いので覚悟は必要です。

加えて、関東の地下鉄は、東京、埼玉、千葉、神奈川にしかありません。

電車が使えなければ、他の交通機関を使うしかありません。

 

雪で電車が使えないなら他の移動手段!注意点は?

それぞれの移動手段の注意点について触れていきましょう。

バスで移動

バスは大雪でもなければ、運休することはないはずです。

ただし、運転は慎重にならざるを得ないため、時間通りの運行はできないと考えてよいでしょう。

早めにバス停に来ると、バスがいつも以上に遅くなって、身体が芯から冷えてしまう可能性を考慮して動きましょう。

また、電車同様、混雑するため、座れるとは思わない方がいいかもしれません。

 

タクシーで移動

「駅に来たら運休になっていた!」
「乗車している電車が止まってしまった!」

という状況になった時に、タクシーは大変便利です。

歩くよりも早く、暖房が効いていて温かいです。

素人が運転するよりも安全ですし、渋滞につかまっても横道に入って先に進むことができます。

しかし、サラリーマンはタクシーをよく使うため、日頃からタクシーに乗らない人は、なかなか捕まえることが出来ない可能性もあるでしょう。

道路に出ても、渋滞に捕まってしまえば、途中から歩くしかなくなるかもしれません。

途中で乗り捨てることが出来るのは、移動には便利ですので、自家用車よりは移動できるでしょう。

 

車で移動

電車が運休していることが分かっていれば、家から車で行くのも一つの手です。

途中で電車が雪によって長時間の立ち往生に立った際に、車で迎えに来てもらうのも良いでしょう

雪道に慣れていない人は、できれば運転したくありませんから、車の絶対数は少なくなっている場合もあります。

ただし、進むスピードは遅くなるため、渋滞になる可能性は大きいでしょう。

止まる時間が長いほど燃費も悪くなるため、ガソリンが少ないと時間もお金もかかる結果になりかねません

途中で乗り捨てることは出来ないため、柔軟な移動には向いていないかもしれません。

トイレや食事など、制限されることも多いです

出来るなら、誰かに送ってもらうと移動も自由にしやすいでしょう。

吹雪の中では、視界が狭くなったり、道が見えなくなったり、後方車に追突されたりする危険性もあるため、おすすめはできません。

 

バイク・自転車

出来れば選択したくない移動手段ではありますが、慣れているなら一つの手です

バイクは、「すり抜け」も可能であるため、渋滞時でも進みやすいかもしれません。

しかし、「すり抜け」は危険とみなされやすいため、違反ではなくとも、検挙はされるかもしれません。

危険な行為であることを理解し、ルールも再確認してから行いましょう。

自転車はお勧めできません

倒れた際に起こすことが大変なうえ、引きながら歩くのも体力が必要です。

ちょっとした凸凹でも、自転車のタイヤは非常に滑りやすいのです。

雪が自転車にくっ付いて重くなることもあります。

自転車自体を持っていく必要がなければ、乗らないのが一番でしょう。

バイクも自転車も転ぶとケガに大変つながりやすいため、注意してください。

 

徒歩

一番自由な移動が出来ますが、事故にさらされやすいので、注意が必要です。

また、雪道は神経も使うため、普通に歩くよりも疲れます。

時間も非常にかかるため、目的地の変更などで、歩く距離を短くすると安全です。

靴は、雪道用の靴がなければ、滑るにくい靴を選びましょう

靴底の溝が深い、溝がギザギザして滑りにくい、ゴム製で柔らかい、といった特徴があるといいです

案外雪でもびしょ濡れになるため、防水加工もあると更にいいでしょう。

長靴やブーツのように丈が長いと温かくていいですが、靴底がツルツルでは危険です。

靴底をちゃんとチェックしましょう。

大雪の際には、関東の交通機関がほとんど使えない、もしくはひどく混雑すると考えてください。

移動できない可能性もある場合は、ホテルに泊まる準備や十分な防寒具を持っていくとまだ安心できるかもしれませんね。

まとめ

今回は関東圏における電車の運休について紹介しました。

内容は以下の通りです。
関東の電車が止まる理由と原因
-雪対策が整っていない=除雪・融雪ができない
-全ての分岐器に除雪・融雪装置を設置すると多大な費用がかかる
-電車の行き来が多く、除雪する時間がない
関東の電車が雪で止まる基準
-明確な基準はないが、積雪10センチ以上だと、本数の減少や運休が生じる
-雪崩などの、積雪による災害が考えられる場所を通る鉄道線は運休もあり得る
雪で電車が運休した際の対処法
-振替輸送で、買い替えずに他の鉄道会社の電車に乗って向かう
-地下鉄を利用して目的地に向かう
-他の交通機関を使う
-バスか、タクシーが無難
-車で行く場合は、渋滞と、吹雪によるホワイトアウトに注意
-バイク・自転車・徒歩は、危険も多いので慎重に!

関東に居れば、東京に行くことも多いでしょう。

東京では、車よりも電車の方が移動しやすいため、電車による移動がほとんどです。

栃木や群馬以外の関東圏では、ほとんど雪が降らない分、雪対策が不十分な場合もあります。

つまり、どうしても移動できない場合もあるということです。

防寒着と、ホテルなどの泊まるための費用なども心配なら持っているといいかしれません。

積雪が少しでも降った際には、早めにネット上の電車の運行状況を確認して、素早く行動しましょう。

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