美しい自然に恵まれた南の海が舞台の「モアナと伝説の海」。
モトゥヌイ島の外の世界への興味が尽きないモアナの良き理解者は祖母のタラでした。
タラおばあちゃんの存在はこの映画の中でどんな役割を果たしているのでしょうか。
タラおばあちゃんが語った神話の意味やエイのタトゥが彫られている理由を考察したいと思います。
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目次
タラおばあちゃんが語った神話の内容
あ、そうそう、モアナ、こうやって「昔話」が出来て神話が出来たのかって思った
— せきりん (@IS_RPHG) March 12, 2017
族長でありモアナの父トゥイの母であり、モアナの祖母にあたるタラは村の子供たちにテフィティの伝説を語って聞かせます。
その内容はこのようなものです。
「1000年前、女神の島テフィティが現れた。テフィティの「心」には命を生み出す力があり、海しかなかった世界に島や植物、動物が誕生した。ある時、変身自在の半神マウイがテフィティから「心」を盗んで逃げてしまう。その最中に悪魔テ・カァに襲われ、マウイはテフィティの心を落としてしまったために、世界は闇に包まれてしまう。世界がすべて闇に覆われる前に「海に選ばれし者」が珊瑚礁を越えてテフィティの心を返し、世界を救うだろう…。」
モアナのよき理解者で相談相手でもある祖母のタラですが、不思議な言動で島の人からは変わり者と思われていました。
タラおばあちゃんの語る物語は島の歴史や伝説の神話でした。
言い伝えは作り話ではなく、本当の出来事であったことが映画を見ていくうちにわかってきます。
テフィティの心が奪われてから1000年。
生まれた闇がモトゥヌイ島に迫っていました。
モアナたちの住むモトゥヌイ島では魚が捕れなくなり、食糧難に陥ります。
モアナは食料を求めて珊瑚礁の先へ行くことを提案しますが、トゥイは難色を示します。
珊瑚礁を越えようとして亡くなった親友をもつ経験から、危険を冒すことに慎重になっているのです。
島の外の珊瑚礁より先には行ってはいけないという掟がありました。
外海は波が高く、とても危険なのです。
タラおばあちゃんの神話の意味
モアナ見てきたーーーもうすっごいエンタテイメントだった。ポリネシアの伝説と音楽の地響きの感動と、祖先から受け継がれた物語的なとこ涙腺刺激しまくる…マウイがすごく魅力的なキャラだった。家にある昔話の本読も
— ろかぴ (@hibifuwadake) March 15, 2017
タラおばあちゃんが伝説を語り聞かせたのは、それが実話であったこと、「選ばれし者」はモアナであることを知っていたからです。
頑なに掟を守るトゥイに対し、「伝説は本当だ!誰かが行かなきゃならない!」と言っています。
タラおばあちゃんは村の祖先が海を渡っていたことを知っていて、モアナを秘密の洞窟に連れて行きました。
洞窟には何艘もの船があり、それは遠い昔にモアナの祖先たちが島を渡りながら暮らしてきたことを示しています。
珊瑚礁を越えることは不可能ではないことをモアナに教えたのです。
タラおばあちゃんは、密かに見つけていたテフィティの心をモアナに渡すと、急に倒れてしまいました。
さっきまで元気だったはずのタラおばあちゃんが急に倒れてしまったのは、ずっと持っていたテフィティの心を手放したからだと思われます。
誕生の女神の心なので、年老いたタラおばあちゃんに元気や生命力を与えていたのではないでしょうか。
モアナが海に選ばれたこと、マウイと一緒にテフィティに心を返すことを伝え、タラおばあちゃんは亡くなります。
背中にエイのタトゥーを入れているタラおばあちゃんは、死んでしまってもエイになってモアナを見守ることを約束しました。
モアナはタラおばあちゃんの話を聞いて珊瑚礁の外へ行き、世界を救う決意を固めるのです。
この神話はモアナが旅立つきっかけとなるため、タラおばあちゃんは大事なキーパーソンなんですね。
タラおばあちゃんがエイのタトゥーを選んだ意味
モアナのグランマ、タラお祖母ちゃんがすっごくいい。変り者と呼ばれてることに寧ろ誇りを持っているふうで、迷う孫の背をそっと力強く押してくれる。海辺でゆったりフラを踊る姿に貫禄すら感じた。エイのタトゥーもカッコいい。わいはマンボウに生まれ変わりたいからマンボウのタトゥー彫らなきゃ…
— トオル (@darkmoon999) March 16, 2017
タラおばあちゃんはモアナに海に出ることも、心を返しに行くことも強要しなかったし、結局は全てモアナが選んだ道なんだよね…「どの道を進んでも決めたのは私自身」ってモアナも劇中歌でしっかり言ってるしその意思の強さが本当に大好き
— ぱの (@pacota22ma) October 7, 2020
タラの背中にはエイのタトゥーが彫られていました。
タトゥーはポリネシアの人々にとっては神聖かつ身近なものでです。
タトゥーが表しているのはアイデンティティや家族のルーツなどです。
タラはなぜ、エイをタトゥーとして選んだのでしょうか。
エイはタラおばあちゃんにとって特別な生き物のようです。
海辺でタラおばあちゃんがひとりフラダンスをしているシーンでは、数匹のエイがやってきて一緒に踊っています。
亡くなった後には自分もエイに生まれ変わりました。
エイは海の底砂地に紛れて姿を隠し、海の食物連鎖の頂点に立つサメすら欺くことができるそうです。
そのためエイのタトゥーには「賢者」というイメージがあり、知恵でみんなを導きたいという思いが込められているのではないでしょうか。
映画のモデルとなったポリネシア民族にはエイは賢いエイは守護神のイメージあるんだとか。
タラおばあちゃんはモアナに対し直接的なアドバイスはしていません。
「こうするべき」「こうしなさい」というようなことは一切言わず、モアナを導きます。
「わたしはモアナと言いなさい」という教えには、自分の心の声に素直に従えば、自分の進む道がわかるはずだという期待と信頼が感じられますね。
亡くなった後エイに姿を変えた時、タラおばあちゃんはマウイと意見が別れ落ち込んでいるモアナの前に現れます。
そのおかげでモアナは再び励まされ、行く道を選ぶ事ができたのです。
「モアナと伝説の海」はモアナの冒険譚ですが、タラおばあちゃんとの絆の物語でもあるんですね。
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まとめ
「モアナと伝説の海」における、タラおばあちゃんや彼女が語る神話の役割についてまとめました。
ストーリーの導入だけでなく、モアナの行く道を示す大事な鍵であることがわかりました。
タラおばあちゃんのエイのタトゥーには、モアナを導きたいという願いも込められているようです。
迷っているときや悩んでいるとき、信じて背中を押してくれる存在はありがたいですね。
「モアナが強くてかっこいい!」と評判のこの映画ですが、その秘密は、タラおばあちゃんの導きなのでしょう。
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