すでに100億円の興行収入を達成した、新海誠監督の最新作「天気の子」。
大ヒットした前作「君の名は。」と世界を同じくして、異常気象を扱った作品です。
「天気の子」でも、「君の名は。」同様のボーイミーツガールのストーリーとなっており、東京にやってきた家出少年・森嶋帆高と不思議な力をもつ少女・天野陽菜の出会いによって物語が進行していきます。
新海監督と言えば、田舎と東京の関係性を描くことも多く、その場合、田舎で暮らす人が東京に憧れを抱いて上京してくる、という構図をとることが多いです。
今回も東京の離島で暮らす帆高が本土にやってくることから物語は動きだします。
今回は、その帆高に焦点を当てて、「天気の子」をご紹介します。
[ad#1]目次
天気の子で帆高が家出をした理由
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— 映画『天気の子』 (@tenkinoko_movie) 2019年8月31日
作品の舞台は、2021年の夏の東京。
異常気象によって、長期間の雨が降り続いている世界での物語です。
主人公の帆高は高校1年生で、東京都に属する離島に暮らしています。
そこから家出をして、フェリーに乗って東京本島にやってくるのですが、そもそも家出した理由を考えていきます。
作中では、家出の理由について明言されてはいません。
ただ、夢の中のシーンで、雲の切れ間から降り注ぐ光の柱に向かって自転車を必死になって漕ぐが、そこにたどり着けない、という描写があります。
この光にたどり着けない、というのが思春期特有の心性を表しているようにも、閉鎖的な島の生活に窮屈さを感じていることを表しているようにも解釈することができそうです。
物語全体を見ても、帆高が家出した理由は明らかになりません。
新海監督のインタビューによると、「憧れのまま走り始め、そのままずっと遠い所まで駆け抜けていくような少年少女を描きたかった」と述べている部分があり、この「憧れ」を表現するためにあえて具体的な理由をつくらなかった可能性があります。
「憧れ」というのは、本人も無自覚な場合もあり、なかなか言語化できるような感情ではありません。
言語化しないことによって、「憧れ」という不定形なものをリアルに表現する効果を感じます。
[ad#3]帆高が家出をする際に怪我をしていた理由
帆高の家出の理由は明らかになっていませんが、その原因の一つを推測できる描写があります。
それは帆高の頬と鼻に貼られたばんそうこうです。
これも映画では一切背景について触れられていないのですが、小説版ではその怪我の理由を明言しています。
それは父親から殴られたことによる怪我なのです。
映画での描写がないので、作品内で小説版の理由をどこまで投影して解釈していいものか、悩ましい部分ではありますが、小説版を読んだことのある人が映画を観れば、すぐに怪我の理由を理解することができるようになっています。
仮に怪我が父親の暴力によるものだとした場合、絆創膏をしているというのが一つのポイントになります。
つまり、怪我が治る前、殴られてあまり時間をおかない時期に家出を決心したということが分かるのです。
怪我が治る前に家出したということは、暴力と家出の相関が強いという予測ができます。
島の閉鎖性に対する息苦しさ、本島への憧れが、暴力をふるわれたことをきっかけに表出し、行動にまで至った可能性があります。
このように帆高の家出の理由を明言していないことで解釈の幅が広がり、作品の深みを増しています。
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帆高は雨男なのか
すでに映画を観た人の感想や考察を見てみると、帆高が雨男だという説が散見されます。
しかし、作品内では雨男だという話は一切出てきません。
どうやら、物語の後半で陽菜を帆高が救う際に帆高も不思議な力を使っているため、実は雨男で特殊能力をもっていたのではないか、という推測のようです。
確かに陽菜を救うシーンでは、特殊な力がないとできないような芸当が出てきますし、帆高と陽菜が対の存在だと考えると、「晴れ」-「雨」で対として見なす考え方もできそうです。
おもしろくて想像の広がるユニークな説ですが、作中にも新海監督の発言でも、雨男だと明言している根拠がないので、今のところは雨男ではないというのが主流な説だと思われます。
[ad#2]まとめ
新海監督の作品の魅力の一つが、登場人物の繊細な心情描写です。
「天気の子」でも、帆高という魅力あふれる主人公の心情描写を丁寧に描いています。
今回は家出に焦点を当ててみました。
あえて明言しないことで、リアリティを出したり観客に想像の余地を残したりという効果が生まれています。
インターネット上で多くの考察が公開されていますが、思わず考察せずにはいられない仕掛けが「天気の子」には多く仕組まれているのかもしれませんね。
ぜひ帆高の人物像が分かるような細かな描写まで注目して、ご覧になってみてください。
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