1961年のディズニーアニメ映画「101匹わんちゃん」に登場するヴィラン、クルエラ・ド・ヴィルの若き日を描く実写映画「クルエラ」。
パンク・エンターテインメントと評され、1970年代のロンドンを舞台にしたファッションや音楽がパンクでかっこいいと評判です。
ほかにも是非注目していただきたいのはクルエラのセリフや名言。
意味や意図と共にご紹介したいと思います。
スポンサーリンク
P>
目次
クルエラ(実写映画)のセリフ・名言の意味や意図と英語の対比も
ディズニー史上最も悪名高きヴィランの誕生秘話。
白黒つけるのは、私。『#クルエラ』6/25 プレミア配信開始💋 https://t.co/JPaUT7JfHb pic.twitter.com/GzAhXTiqRI
— ディズニー・スタジオ (@disneystudiojp) June 18, 2021
「クルエラ」はファッションデザイナーを夢見るエステラという名前の少女が、とあるきっかけで残酷な悪魔へと変貌するヴィラン(悪役)誕生の物語です。
生まれつき真ん中で黒と白に分かれた奇抜な髪型をもち、偏見や差別の目を向けられながら生きてきたエステラ。
母を亡くし、パンクムーブメントの吹き荒れるロンドンでデザイナーになるために奮闘します。
幼い頃から母に「クルエラを出してはだめよ」とたしなめられてきたように、エステラは自分の中に潜む凶暴な感情があることを知っていました。
ロンドンでは目立つことを恐れ髪を赤く染め、「クルエラ」な部分も押し殺し、自らのアイデンティティを偽るように暮らします。
ロンドン一のファッションデザイナー、バロネスの元で働くことになったエステラは、厳しい指導の元、デザイナーとしての腕を磨いていきます。
しかしある時、バロネスが亡き母キャサリンの仇であること、キャサリンは育ての母で、実の母はバロネスそのひとであることを知ります。
捨てられた子である事実や、育ての母を殺されたこと、そのせいで底辺の暮らしを味わったことがすべてバロネスのせいであるとわかり、その憎悪はエステラの中の「クルエラ」を呼び覚ましました。
映画「クルエラ」のセリフには、エステラからクルエラに変貌した心情が現れています。
英語のセリフとともにご紹介します。
私は人と違う生き方をしてきた、それが目ざわりな人も
From the very beginning I realized I saw the world differently than everyone else.
That didn’t sit well with some people.
英語では「最初から」という表現があります。
小さな頃から、周りとの差異や違和感を感じて来たことがわかります。
エステラの本性は「クルエラ」であったのに、キャサリンにたしなめられひた隠しにしてきたのです。
生まれつき人とは違う容姿(黒と白の髪型)であったことや、凶暴な性格が一部にあったこと、母を亡くし窃盗そしながらなんとか生き抜いてきたことを表しているセリフです。
もし普通の髪型であれば、穏やかな性格であれば、貧しい生活を経験しなければ……どうなっていたのでしょうか。
「クルエラを出してはだめ」と言われるほど凶暴で反抗的な性格やその容姿から、エステラは疎まれ、蔑まれてきました。
小学校も退学になり、希望を求めてロンドンに引っ越すことを決めますが、道中で母キャサリンは命を落とします。
人とは違う生き方、苦労を重ねてきました。
しかし、エステラは自分の持っている類まれな美術的センスや才能を誇っていたので、悲観はしていなかったのだと思います。
本当の自分をさらけ出せないことのほうが苦しかったかも知れません。
みんな怖れていただけ。私が……覚醒するのを
I guess they were always scared…
I’d be… a psycho.
育ての母キャサリンの仇を取るため、生みの母に復讐するため、エステラは「クルエラ」を目覚めさせます。
エステラは髪を黒と白に染め直し、バロネス主催のパーティーに乱入します。
羽織っていた真っ白なマントに火をつけると、マントは燃え落ち、その下からは真っ赤なロングドレスに身を包んだクルエラが登場。
このシーンは残酷な悪魔クルエラが誕生したことを印象づける注目のシーンです。
英語のセリフにある「psycho」という言葉は、バロネスの元で従順な部下エステラを演じながら、ときにはクルエラとしてバロネスを妨害するという二重生活を送るサイコパスな一面を表しています。
この覚醒というセリフはヴィランとして目覚めたことを表してしますが、それだけではありません。
1970年代のロンドンは、特権階級への不満が爆発した時代です。
搾取される労働者や貧困層が体制をひっくり返そう、反抗しようという気運が高まっていました。
上司と部下である立場ながら、ライバルでもあるバロネスとエステラの関係は、まさにロンドン社会の縮図でした。
古典的で保守的な上流階級のファッションのバロネスと、反抗的で過激なパンクスタイルのエステラは相反する存在です。
時代が「新しい流れ」が登場することを恐れていたとも取れるセリフです。
男爵夫人で有名ファッションデザイナーであるバロネスと真っ向から対立するクルエラは「パンクの時代の象徴」なのです。
私は女。心の声に従え。私は……生まれつき最高で……最悪
I am woman. Hear me roar.
The thing is, I was born brilliant. Born bad.
「roar」はうなる、わめく、泣きわめく、叫ぶことを表う英単語です。
日本語では「心の声」と訳されていますが、英語のセリフを見ると長年押し殺されてきた「クルエラ」の魂の叫びのように感じますね。
では、誰にとって「最高」で「最悪」なのでしょうか。
これもバロネスとクルエラの対立がロンドン社会の対立を反映させているようなセリフです。
クルエラが悪を貫く=周りと合わせる事から解き放たれ、自分らしく生きることは、既存の社会から抜け出すことを表します。
上流階級の人間にとっては排除すべき思想ですが、クルエラにとっては自分の生き方こそが正義なのです。
社会にとって「最悪」でもクルエラにとっては自分を貫く生き方こそ「最高」ということです。
心の声に従って生きることは生易しくありません。
批判をされ、傷つくことも多いでしょう。
だからこそクルエラのように自分らしく生きる姿は、
- つい周りを気にして本心を言えない人
- 自分をさらけ出せない人
- 自分らしさって何?と悩む人々
にとって「かっこいい!」と支持されるのです。
さらに「I am woman」というフレーズには、世の女性が世間に対して感じる怒りや疑問を投げかける意図もあるのではないでしょうか。
私はクルエラ
I’m Cruella.
クルエラとして目覚めたエステラは自らの葬式を挙げます。
本当の名を捨て、クルエラとして生きていくことを宣言します。
迷いなく「残酷」という意味のこの名を口にする姿は最高にかっこいいと思います。
「101わんちゃん」のクルエラはヴィランです。
しかし彼女にとっては「自分の思う通りの最高のデザインのコートを作りたい」だけ。
子犬を誘拐したりやり方は強引ですが、目的のためにひたむきなだけなのかも知れません。
自分の生き方を貫こうという原点は、抑圧された生い立ちにあることがわかりました。
クルエラが「誇り高きヴィラン」と呼ばれ人気な理由がわかる気がしました。
スポンサーリンク
P>
まとめ
映画「クルエラ」のセリフの意味や意図をまとめました。
クルエラのセリフには彼女の信念が隠されていることがわかりました。
ファッションや音楽などヴィジュアル面で楽しむ要素の多い作品ですが、ぜひセリフにも注目してみてくださいね。
【関連記事】
クルエラの性格が怖い?サイコパスで多重人格なのかについての考察も
クルエラが微妙でつまらない?面白くないし感動しない理由を考察!
クルエラの衣装・ファッションがかわいいしかっこいい!ブランドやデザイナーについても
コメントを残す