青天を衝け8話では栄一と千代が祝言を挙げました。
一方、徳川幕府内では井伊直弼の大老就任や日米修好通商条約の締結、安政の大獄の始まりとされる徳川斉昭らの処分がされました。
9話では尊皇攘夷の機運が盛り上がりをみせるなか、安政の大獄や桜田門外の変が描かれます。
今回は青天を衝け・9話栄一と桜田門外の変のあらすじネタバレ考察をしていきます。
スポンサーリンク
P>
目次
青天を衝け・9話栄一と桜田門外の変のあらすじ
まずは青天を衝け9話・栄一と桜田門外の変のあらすじがどんなものかみていきましょう。
長七郎が栄一と千代の前に現れる
栄一と千代の祝言の翌朝、畑仕事をしている栄一と千代の前に江戸から戻ってきた長七郎が現れる。
長七郎は血洗島にいた頃とはまるで別人で総髪で武士のような振る舞いで「祝言に間に合うようにとも思ったが、祝いの席にこの格好では水をさすと思ってのう。」
長七郎は栄一に話があるといい、尾高家に来るように伝えて立ち去った。
慶喜に叱責される円四郎
江戸では平岡円四郎や橋本左内が反対派の弾圧を続ける井伊直弼の殺害計画に話し合っていた。
左内は「わが越前が動けば、土佐、薩摩、長州も挙兵し、後押ししてくださるとのこと」いい。
円四郎は「井伊を亡き者にしたら紀州様を抑え、我が殿と越前様の処分を撤回させる」と応答する。
これで主君を救えると期待しいた二人だが、左内は慶喜を将軍にするために公家への工作を行った疑いをかけられ、奉行所に出頭させられる。
円四郎が自身のために危険を犯していてたことを察知した慶喜は刀を突きつけ、「井伊に負けたのだ。父の望みを失った私に、そのうえそなたの命まで奪えと申すのか!美賀君の産んだ我が子も死んだ。頼む。私はもう・・・。」
円四郎は慶喜の心中を察し、「承知いたしました」といい、一橋家を離れることになった。
幕府に怒りが募る栄一
栄一や喜作などの道場の若者らが尾高家に集まり、長七郎の話を聞いた。
「江戸の街はむちゃくちゃだ。異人の運び入れたコロリのせいよ。」
コロリは恐ろしい妖術で老若男女が次々に亡くなっているのだと長七郎はいう。
「井伊大老が異人の入るんを許したせい!」と尾高惇忠が叫ぶと、
「天使様は攘夷をお望みだ。なんで井伊大老たちは天使様や日の本を守らねぇんだ!」と栄一らが声を上げる!
仕事に戻っても栄一の怒りは収まらず、「御公儀がどうのこうのと、百姓の分際で物申すのはとんでもねえ思い違いだ」と市郎右衛門に咎められる。
栄一は、その晩割り切れない思いを千代に語って、スッキリしたといい千代よりも先にさっさと寝てしまう。
井伊直弼の安政の大獄実行
安政六年(1859年)6月、尊皇攘夷が盛り上がりを見せる中、横浜、長崎、函館が開港した。
登城禁止処分を受けてから1年がたつ慶喜は隠居・謹慎を命じられ、謹慎中だった徳川斉昭は永蟄居を命じられ、岩瀬忠震も永蟄居、永井尚志は罷免及び謹慎、西丸留守居役の川路聖謨も免職の上隠居を申し付けられ、慶喜を支持していた者たちの弾圧が続いた。
左遷させられた円四郎は密かに一橋の屋敷を訪ね、「甲府勤番となりましたゆえ、ご挨拶に参りました」と家の戸をすべて閉じている慶喜に伝えた。
「島流しと変わらぬ扱いだな」と慶喜の声がの声が帰ってきた。
「左内殿が伝馬町牢屋敷で斬首されました。他にも多くの志士が処刑されました」と慶喜の心を理解せずに先走って左内を失ったことを悔やんで涙する。
「おりゃあ、生き延びますぜ。どんな思いをしたって生き延びる。殿、いつかきっとまたあなたの家臣になるために」
「そうか、息災を祈っておる。」と慶喜は答えるのみだった。
猿四郎は戸越に平伏し、去っていった。
桜田門外の変が起こる
安政の大獄により多くの公卿や大名が処罰され、多くの志士が処刑された。
日本各地の志士の尊皇攘夷の思いは大きく燃え上がっていた。
14代将軍についた徳川家茂は井伊直弼に一度大老職を退いてはどうかと勧めるが、直弼は心配いらないとこれを拒んだ。
しかし、その翌日の朝、江戸城桜田門外で直弼は暗殺された。
この知らせはその日に水戸の斉昭のもとへも知らせがとどき、「下手人は恐らく、わが家中を離れたものともども。これで水戸はは敵持ちになってしまった」と斉昭は嘆いた。
桜田門外の変は幕府の屋台骨を揺るがし、その権威を地に落とすことになった。
安政から万延に改元された8月15日に月見をしていた斉昭は胸に強い差し込みを起こして急死。
この知らせを受けた慶喜は謹慎中で父の死に顔も見れないと嗚咽する。
江戸行きを懇願する栄一
江戸に戻った長七郎からの文で桜田門外の変ついて知ると喜作は決意し、父親の許しを得て江戸に関学や剣術を学ぶべく江戸に向かった。
血洗島に残った栄一は日本の未来を案じる思いを抑えきれず春の一時でいいと市郎右衛門に江戸行きを頼みこんだ。
青天を衝け・9話栄一と桜田門外の変のネタバレ考察
青天を衝けの9話ではいくつか疑問となるシーンがあります。
それらの点について考察していきます。
美賀君が嘆く理由
青天を衝け・9話の予告動画で慶喜の正室・美賀君が嘆いているシーンがあります。
美賀君が嘆いているのはなぜなのでしょうか。
慶喜と婚姻してから3年子に恵まれなかった美賀君はやっと慶喜との子を授かります。
そして、1858年に女児を出産するも、出産後4日には夭折(ようせつ)してしまいます。
美賀君が嘆いていたのは自身の子を4日で亡くしたことに対してだと思います。
川栄李奈さん演じる美賀君は健康そうに見えますが、史実での美賀君は病弱であったようです。
また、慶喜と美賀君の仲はあまりしっくりいっていなかったこともあり、今後自身が子を宿すことはないだろうと思っていることを表現するために青天を衝け・9話で美賀君が嘆くシーンが描かれたものと思います。
尊皇攘夷運動に参加した農民はいたのか
9話では栄一らは、井伊直弼らの執政に対して憤り、あれやこれやと語り合います。
その上で、喜作に触発された栄一は市郎右衛門に江戸行きを懇願します。
当時、このように栄一たちのような農民たちも尊皇攘夷運動に参加した農民などはたくさんいたのでしょうか。
渋沢栄一のような尊皇攘夷運動に参加する農民もそこそこいたようですが、実際には多くは下級武士のほうが多かったようです。
というのも、当時、農民は生活にはそれほど困っていませんでした。
生産性能向上などにより、五公五民だった年貢は四公六民、三公七民と農民の負担が減り、生活に苦しまない農民が増えていっていきました。
このため不満をもつ農民はほとんどおらず、反乱を起こそうという理由もありません。
また、尊皇攘夷は国際情勢に危機感をもって起こった運動です。
このようなことに敏感に反応するのはインテリたちがほとんどです。
当時のインテリの大半といえば武士です。
そんな無事の中でも執政に参加できない不満を持った下級武士たちです。
農民の生活は豊かになると、町人たちの生活も豊かになっていきます。
そうするとインフレが起こってくるので、物価は上昇していきます。
ここで困窮してくるのは、所得の変わらない武士たちです。
生活が困窮し、不満が高まってきた下級武士たちにより始まり、一部の農民たちにまで広まっていたのです。
そのため、尊皇攘夷運動の大半は武士たちで構成されておりました。
スポンサーリンク
P>
まとめ
青天を衝け・9話では井伊直弼により安政の大獄が行われ橋本左内らが処刑され、徳川斉昭らが処罰されることになります。
そのことに憤慨した元水戸藩士らは桜田門外で井伊直弼を暗殺するという事件を起こしました。
その知らせを聞いた栄一は一時でよいので江戸に行かせてほしいと市郎右衛門に懇願する回となります。
コメントを残す