大河ドラマ青天を衝け18話「一橋の懐」のあらすじネタバレと栄一が商才の能力をどのように発揮するのか考察していきます。
青天を衝け17話では、恩人である円四郎がなくなったことを知り悲しむ栄一たち。
しかし、悲しむ暇もなく天狗党の討伐をしようとする慶喜。
18話はそんな慶喜や栄一が天狗党を討伐しようとするところから始まります。
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目次
青天を衝け18話・一橋の懐のあらすじ
では早速、18話・一橋の懐のあらすじからみていくとしましょう。
天狗党討伐に向かう慶喜と栄一
幕府は朝廷の勅命により、「禁門の変」の報復として長州討伐の兵を出します。
長州は欧州列強の艦隊の打撃を受け弱体しており、幕府は長州を潰す絶好の機会でした。
その一方で、一橋家と水戸の徳川慶篤の名代として徳川昭徳の軍勢は狗党討伐のため京を出発する。
そんな軍勢の中に栄一がおり、『俺が小四郎様をたきつけてしまったんだ!小四郎様の挙兵は俺のせいかもしれねぇ。それを征伐するなんて。』
栄一が後悔にさいなまれていた頃、喜作は慶喜からの書状をもって天狗党の陣営の武田耕雲斎のもとにいた。
藤田小四郎が『これはなんと、一橋様は烈公のご遺志を踏みにじるのか。烈公のご子息ながら国を思う我らを切り捨て観の安泰を図るとは、なんと日和見なの小者!』と言い放つと。
武田耕雲斎が『違う!わからぬか。これほどまでに一橋様を追い詰めてしまったことを・・・。もはやここまでじゃ。ご公儀にくだろう。渋沢殿と申したか。ご苦労をおかけした。』
喜作は『いいえ、ご公儀にくだられるとのこと承知いたしました。』
武田耕雲斎は『我ら本位は先君烈公の「夷狄をはらい、国を尊ぶ」という真心を全うするためにあった。主君に等しき一橋様あ昭徳様に敵することは決して望まぬ。』と静かに話すのだった。
そんな耕雲斎を見て喜作は、耕雲斎の姿が眩しく、決して征伐されるような逆賊でない。
武田耕雲斎はまことに忠魂義胆の士であった。
一方の征伐隊にいた栄一は兵を引き上げることを聞かされ、小四郎と刀を突きつけ合わずに済むことにホッとしていた。
長州征伐の指揮をとっていた薩摩藩の西郷吉之助は「禁門の変」を率いた三家老の切腹と藩主・毛利父子の詫び状を提出させることで平和裏に長州征伐を終わらせていた。
天狗党処分される。
慶喜は天狗党の武田耕雲斎らの処分が気になっており、二条城の一橋詰所で天狗党征討総督の田沼意尊と対峙しており、『天狗党の反乱は、いわば水戸の身内の戦い。武田耕雲斎らは、できればこちらで引き受けたい。』
田沼意尊は『天下の公論もございますゆえ、それはできかねまする。こちらでひきとり、公儀にて公平な処置をいたしますゆえ、どうかお任せください。』と答える。
田沼意尊はその場を去ると、『一橋め、2百年以上、戦いをしてこなかった御公儀が、この水戸の騒乱でどれほど迷惑をこうむったことか』とぼやく。
田沼意尊は慶喜を願いは無視され、武田耕雲斎、藤田小四郎ら天狗党幹部24名は二月四日、越前国敦賀の来迎寺境内で処刑された。
武田耕雲斎は処刑前に『烈公・・・今、おそばに』とつぶやいたという。
喜作は一橋家のために働くことを決意
原市之進から武田耕雲斎をはじめ、天狗党の幹部から志士にいたるまで処刑されたことを慶喜は知らされる。
処刑はそれまでにとどまらず、塩漬けにされた武田耕雲斎と藤田小四郎の首は水戸に送られ罪人として市中にさらされ、諸生党らによって武田家や藤田家一族の女子どもに至るまで死罪にされた。
栄一は喜作からその話を聞き、わが耳を疑った。
栄一は、小四郎様を自分がたきつけたと思い込む。
一方、喜作は『自惚れるな、水戸はお前に言われなくても立ち上がってた。俺は見たんだ。あの誇り高き水戸の兵士がやせ細り、寒さにガタガタ震えていた。あれが俺たちが信じた攘夷のなれはてだ!』
続けて、『今回のことで、わが殿も悪い評判をたてられている。俺はもう攘夷なんてどうでもいい!俺は殿を、一橋を守るために生きる。お前はどうだ?』
これで日本中の尊王攘夷は終わりを告げる。
そして、長州はイギリスにすり寄り、薩摩もイギリスに留学生を送るなど開国へと傾いていき、彼らの敵は外国から徳川・幕府へと変わっていくのです。
西の兵を集めようとする栄一
幕府がフランスと手を組もうとしていた頃、栄一は黒川を通して、慶喜にお目通りを願い出て、慶喜に願い出ます。
『先日、兵を連れ戻りましたが、まだ到底足りぬ数です。新たな兵集めの御用をそれがしにおおしつけ願えないでしょうか。』
慶喜は『お主に?』と言います。
栄一は『私は平岡様に拾ってもらって、百姓から今日の身柄になりました。西のご領地8万石を丁寧に回れば、きっと私のように天下の役に立ちたい百姓が100~300人はおりましょう。』
黒川は300人は無理だという。
慶喜は平岡の遺志を継ぎ、恩返しになるだろうという栄一の提言を聞き、認めます。
慶喜は『そなたを軍制御用掛、歩兵取り立て御用掛に任命する。黒川。行く先々の代官所にバカにされぬように先に触れを出せ。見えも大事だ。支度してやれ。』
こうして栄一は再び人集めに奔走することになります。
栄一は京に近い、摂津、和泉、播磨の一橋のご領地を管轄する大坂の代官所に向かった。
その代官所では愛想よく歩み寄ってきた大坂の代官・崎玉清兵衛が栄一らを向かいれた。
崎玉清兵衛は『兵をお集めになりはるとか?至極大切な御用と万々承知致しております。しかしながら、まずは備中を先になさるのがええんかと違いますやろか。』
備中は一橋家の西の最大のご領地である。
そちらがうまく行けば、摂津・和泉・播磨は容易にことが運ぶであろうと助言したかのようにみせ、栄一を体よくあしらったのです。
備中に行った栄一に一橋家ご領地の代官・稲垣練造が百姓を集めてくれ、栄一は集まった百姓の前に演説します。
『もはや、この日の本に武士も百姓の違いはない。つまり、民も一丸となりに国につくすチャンスである。ぜひ、立ち上がってほしい。』
栄一は熱を込めて演説しますが、誰も関心を寄せてくれません。次の日も次の日も演説しますが、誰も仕官したいと申し出てくる人はおりませんでした。
ある日、ふと、宿で自分の足袋に目を留めた。故郷から送られてきた千代からの足袋であった。千代は一日中、仕事や家事で座る暇もない。また、うたの世話もまだてがかかる。それでも寝る暇も惜しんで塗ってくれたのだ。
千代たちと同じようにこの地の百姓も大変なのだ。焦ることはないと思い、翌日からは百姓を呼び出して演説することをやめたのです。
栄一は村に興譲館という学校を開いている漢学者の阪谷朗廬を訪ねることにした。
栄一は『私はもともとは武州の百姓で、ここよりずっと狭い従兄の塾で論語と朱子学、水戸の攘夷の心を学んでいました・・・』
阪谷朗廬は『一橋家の家臣であるお方が攘夷を口にするのは感心できませぬな。』
栄一は『江戸や京の学者はみな攘夷鎖港論者でしたよ。』
阪谷朗廬は『私は開口すべきだと思っております。浜田弥兵衛をご存知ありませんか。』
栄一は知っており、『おお、タイオワンで貿易した弥兵衛』
阪谷朗廬は続けて、『そう!我が国もかつては開港しており、多くの利を得ていた。今日異国が通商を望むのも、異国の魂を広めるためでなく互いの利のため。それをわが日本が盗賊に対するかのように無下に人を払おうとするのは人の道に外れるのみならず世界の流れとも相反することになる』
その考えを聞いた栄一は『おかしいれえ。』といい、阪谷朗廬は柔軟な考えを示す栄一に興味がわき、『貴殿は通常の役人とは違うようだ。どうです。貴殿の酒で一杯』と酒を酌み交わしながら議論したのであった。
また、栄一は関根という剣豪家を訪ねて手合わせをし、栄一が関根を打ち負かすと、村十に栄一はだたの役人じゃないと噂が広まり、文武の心得がある人が栄一を訪ねたりするようになった。
そして、阪谷朗廬の塾の塾生5人が一橋家で奉公したいと申し出てきた。
栄一は少し考え、ちょっと話しただけで奉公したいと申し出る人がいるのに何百人いるところで演説してももう出てこないのはおかしいと思い、人集めをしてくれた問屋に問い詰めます。
すると、稲垣練造に面倒なことに巻き込まれないように栄一から遠ざけるようにと指示があったと。
栄一は稲垣練造のところに行き、『代官殿に申し上げる。貴殿は、君公のお役職が禁裏御守衛総督であることをご存知だな。兵がいなければその職は尽くせないこともご存知であろう。拙者は、かように重大な役目ではるばる来たからには、御用を果たせぬとあれば生きて帰れぬ。』
代官は『生きては?そんな大げさな・・・』
栄一は続けて、『そんなことも理解できない代官。貴殿も同罪でござる。拙者は明後日には出発致します。どうかよく考え、ご結論を頂きたい。』
その翌日栄一の元には二百人もの人が集まるのでした。
備中での噂が広まっていたため、各地で更に多くの希望者が集まり合わせた数は四百五十七人にものぼった。
一橋の懐を豊かにしようとする栄一
『大役を成し遂げて、大儀であった。褒美だ、取っておけ。』と慶喜がいうと。
『ははっ。しかし兵が増えるのはよろこばしいことですが、その実、そのまかない金は誠に厳しいものとお察し致します。』と栄一は返答する。
すると、慶喜に仕えている家臣が金が必要であればご公儀に借り、どうにか都合をつけるという。
栄一は『借りたお金では、懐は豊かになりません。いくら武士とて、お金は入用です。私は天狗党があのような結果になったのも、それを怠ったからだと存じております。いかに高尚な忠義を掲げようととも、戦に出れば腹は減ります。腹が減って、食料や金を盗んでは、もう盗賊です。そうなれば、義も忠義もあったものでもありません。藤田小四郎様たちは、忠義だけをかかげ、懐を整えることを怠った。』と、更に続けます。
『両方がなければダメなのです。この先、幕府も一橋家も懐を考えずに義だけ動けば、いずれ同じことになりましょう。私は、一橋家の懐具合をを整えたいのです。こたび、御用で領地を見回ることでいくつか利を得る方法を思いつきました。それこそが私が本領を発揮できる仕事です。』
栄一は米を入札制にすることを提案する。さらに、播磨の木綿、備中の硝石も提案していきます。
そして、栄一はこの際包み隠さず話すことを決意し、すべてを話していきます。
『実は、私は当家が公儀にかわって私の願う攘夷してもらえねえかと思って、いわば様子見、腰掛のつもりで仕官しました。しかし、今、改めて日の本を再びまとめ、守れるのは殿しかおりません。殿の作る新しい世を心待ちにしています。そのためにも、一橋家をもっと強くしたい。懐を豊かにし、土台を頑丈にしたい。それこそが、私の長所でございます。』
すると慶喜は『父を思い出すのう。父も水戸の懐をどうにかせねばと林や茶畑、硝子をつくらせ、さらには蜂蜜を集めさせていた。』
『あの烈公が蜂蜜を・・。』と栄一は驚く。
慶喜は続けて、『百姓をお百姓様と呼んで尊んでいた。攘夷の志士など本当の父をしならぬ。』
『それは大変失礼ました。私は烈公を風神雷神のような石頭かと思っておりました。』と栄一。
猪飼などの家臣が恐れる中、慶喜は笑い出し、『フッ、ハハハ。ダメだ、耐えきれぬ。雷神となった父を思い浮かべてしまった。円四郎め。誠に面白い者を押し付けおった。渋沢よ、もやは腰掛けではあるまいな?底まで言うならやってみよ!お主の腕を見せてみよ!』
栄一は円四郎から最後の言葉「お前は、お前のまま生き抜け」を胸に一橋家を豊かにすべく動き出したのである。
青天を衝け18話・一橋の懐のネタバレ考察
ここからは、18話・一橋の懐をみていくとしましょう。
18話では栄一が商才の能力を発揮
どのような能力でどのように力を発揮していくことでしょうか。
栄一は現在、円四郎に取り立てられ、一橋家の家臣として働いていますが、元は藍染めを生産する農家であり、かつ、さらにそれを売りさばく商人でもありました。
そのため、通常の武士とは違い、どうすれば利をだし、一橋家を豊かにする方法・思考を持っていたのです。
また、農業をしていたため、どのようなものがよい品であるかを判断できる目、触感を持っていたのです。
そのため、栄一は摂津、播磨、備中に兵を集めに回っている間に、それらの生産物が良い品であることがわかります。
あとはそのそれらをどのくらい、どのように売りさばけは利が出せるのかを判断できたのです。
米は入札制にしてより高く買ってくれる商人に売りさばきます。
木綿も姫路の木綿に劣らず良質の品であることから、ブランド力がないことで姫路の品より安く流通しているため、一橋家御用達の木綿として売り出すことで姫路の木綿に劣らず売れることをて提案します。
硝石は武具にしようできるので、備中の農家の軒下からも出てくる大量の硝石を加工生産して販売することでより利益を生み出すことができると判断して売るようにしたのです。
当時の一橋家の台所事情
一橋家は御三卿の一つであるが、一橋家は独立した別個の「家」ではなく、「将軍家(徳川宗家)の家族」として認識されていた。
そのため、大きな領地というものはなく、全国に一橋家のご領地が点在していた。
一橋家が興り始めた1737年には賄料を現米2万俵でした。
1740年には宅地および賄料1万俵を加増され、正式に一橋家として興ったのです。
延享3年(1746年)に新規に賄料領知10万石を武蔵・下野・下総・甲斐・和泉・播磨・備中7か国のうちに与えられ、高10万石となるなったのです。
この10万石どのくらいななのか計算しみました。
1石が米150キロとすると15,000,000キロとなります。
米10キロは約5,000円とるすと1,500,000X5,000円=7,500,000,000円となります。
現代にたとえると、年間75億円の懐具合ということです。
現代の中小企業ぐらいの収入があったようです。
どれだけの人件費がかかっていたのかわかりませんが、それなりには一橋家を運営してく余力はあったようです。
ただ、この幕末期においては安心して新しい武具を買ったり、なにかをするという余裕などはなかったかもしれません。
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まとめ
青天を衝けの18話では、栄一が新たに兵集めに行きながら、もともと持っていた才能を活かし、一橋家の懐具合を豊かにしていこうと慶喜に建白することが描かれていました。
この建白が取り立てられ、栄一はさらいに一橋家内で出世していきます。
19話では具体的にどのようにして、一橋家を豊かにしてくのかが描かれるようです。
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