青天を衝け11話では、江戸で武具を買い集めるために武具商店を出たところで立派な武士に捕まり問いただされます。
青天を衝け12話ではその立派な武士の平岡円四郎から仕えてみないと誘われるようですが、誘いを断ります。
青天を衝け12話・栄一の旅立ちのあらすじと当時の渋沢栄一はどんな思いで渋沢家を出たのかを考察していきます。
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目次
青天を衝け12話・栄一の旅立ちのあらすじ
青天を衝け12話の栄一の旅立ちのあらすじをみていきたいと思います。
栄一、仕官のチャンスを断る
逃げている栄一をボロ屋敷に引き込んだ立派な武士は平岡円四郎であった。
栄一はその円四郎から問いただされた。
「百姓ではありますが、とある志を抱き、この先、命を懸け戦うつもりです。その邪魔をされるわけにはいかない。だから逃げたんです。」
円四郎が「百姓が命を懸けて戦うってか?」と聞き返す。
栄一は「百姓だろうが商い人だろうが立派な志を持つ者はいくらでもいる。それが生まれつきの身分だけで物言えない世なら、この世をぶっ潰さなければならない!」
「・・・なるほど!これは、おかしれぇや」と返す円四郎。
さらに円四郎は話を続け、「お前ら、いっそ俺のものとに仕えてみてはどうだ。」
百姓の身分では世の中の大きな変化を知ることはできない。
今なら仕官の道があると円四郎は持ちかけるが、栄一らは田舎に家もあり仲間もいるからと断る。
円四郎は「そりゃ、惜しいね。俺は一橋家家臣の平岡円四郎。気が変わったら俺の家にくるように!」と伝え、去っていった。
一方、そのころ一橋家当主の慶喜は京から江戸に戻っていたが、再び京へ上京する予定だった。
その胸中を養祖母の徳信院に語る。
「天子様は自らのご叡慮で、攘夷派の公家や長州らを京から追い出してくださった。私も決心がつきました。天子様は、異国がお嫌だが、決して国や民を犠牲にするような無茶をしてまで追い出そうとは考えておりませぬ。私は徳川家の一人として、心して、天子様のお助けしたいと思います。」
江戸から血洗島へ帰郷
武具の調達を終えて血洗島に戻った栄一は、市郎右衛門とゑいを前に勘当してほしいと頭を下げた。
家を出て、天下のために働きたい。
何をするかは言えないが、家に迷惑をかけるかもしれないから妹のていに婿養子をとり、家を継がせてほしい。
するとゑい「苦労もあるけど、一家で働いて、村のみんなと助け合って、いい暮らしだよ。これ以上の何が足りないのさ?」
「いくら俺一人満足いっても、この世のみんなが幸せでなかったら、俺はうれしいとは思わない。」
国を変えるため、大義のために生きたいのだと栄一が必死で語っていると、なかとていも来た。
市郎右衛門は黙って聞いていたが、そばにいた千代が栄一の願いを聞いてほしいと頭を下げると、黙って聞いていた市郎右衛門が口を開く。
「千代とうたはうちのもんだ。栄一、お前はお前の道を行け。俺は政がどんなに悪かろうが百姓の分を守り通す。それが俺の道だ。」
その後、千代は栄一に旅立つ前にうたを抱いてやってほしいと頼むが、それでも栄一はうたを抱くことはしなかった。
攘夷計画の中止
挙兵実行日が近づいてくるある日、栄一、喜作、真田範之助らは尾高家の惇忠の部屋に集まった。
そこに京から戻った長七郎が現れ、「子供だましの愚かな謀は即刻やめろ!」
長七郎の言葉に集まった一同はいきり立つが、リーダーの惇忠はどうしてそう思うのか冷静に尋ねた。
「薩摩はエゲレスの軍艦に撃ち込まれ、もう攘夷はすてた。8月に大和で千人以上の手練の同士が挙兵したがあっという間に鎮圧された。長州も攘夷派の公家も皆、京から追い出された。しかもその命を下したのが天子様だという。天子様のための義挙がなぜこんなことに。」と長七郎は涙を浮かべ、この時勢では誰も賛同しないと訴えた。
栄一や範之助は逆上し、長七郎を斬ってでも計画を実行すると叫ぶが、長七郎は一歩も譲らない。
「俺は、お前たちの尊い命を犬死で終わらせたくはない。」とも伝えた。
栄一らはその後、二日間話し合いを続けたが、結果、挙兵は中止することに決まり、栄一たちは同士一同に手当を配って解散した。
栄一、両親に勘当を願い出る
栄一は喜作と今後の身の振り方話し合った。
自分たちは役人に目をつけられている恐れがあり、幕吏に捉えられたら拷問にかけられたり、死罪になったりする可能性もある。
喜作との話し合いの結果、政は江戸ではなく、京に移っているので栄一と喜作は京へ向かうことを決めた。
身を隠すだけでなく、もっと時勢をしり、京で再起を図りたいという思いもあった。
惇忠にそれを話すと、武具の始末は自分に任せるようにと言ってくれ、挙兵を企てた以上、自分が何かあれが責任は自分ひとりが負うと言い切った。
栄一はその日、神社の境内で千代と話をした。
千代に抱かれたうたの顔をみながら栄一は言った。
「怖かったんだ。このちっちぇえ、あったけぇのをこの手に抱いて、市太郎のように失うのが怖かった。かわいいな、かわいいなうた。お前なんてかわいいんだ。」
千代がうたを抱かせると栄一の目に涙が溢れた。
「もう、俺は自ら死ぬなんて二度とは言わねぇ。どんなに間違えても、みっともなくても生きてみせる。」
帰宅すると栄一は市郎右衛門に挙兵を計画していたことを明かし、藍の商いの代金をごまかして武具を買い集めていたことも詫びた。
その上で、栄一は喜作と京に行くことを告げた。
「俺はもうお前のすることに是非は言わない。ただし、物の道理だけは踏み外すなよ!」
そして、市郎右衛門は百両の金を栄一に渡した。
「不道理のことに使うんじゃなかったら惜しむことはない!この先、入り用があれば必ず連絡しろ!送ってやる。」
こうして栄一と喜作は近隣には伊勢参りに行くと言って血洗島をあとにした。
栄一が勘当しても家を出た理由を考察
栄一は『横浜焼き討ち計画』という無謀な計画を実行するうえで最大の障害は父の市郎右衛と考えていたようです。
栄一は市郎右衛門とゑい、千代らに迷惑がかかってしまうことを一番の憂慮していた。
そのため、彼らに迷惑がかからないように、父・市郎右衛門に自分の思いの丈をぶつけて、父から勘当され、縁を切ってもらおうと思っていたようです。
しかし、市郎右衛門はこのとき栄一を勘当することはしませんでした。
栄一は最終的には市郎右衛門から資金100両の援助を受けて、京に上京しています。
しかし、市郎右衛門は明治元年に一橋慶喜が朝敵となったため、岡部藩の命により、一橋家家臣である栄一を除籍させています。
栄一は憂慮の末に、市郎右衛門らに迷惑がかからないように勘当するように申し出、家をでてでも世の中を変えたいととの思いが栄一はあったようですね。
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まとめ
青天を衝け12話では平岡円四郎から一橋家に仕官の誘いを受けるが、このときはまだ攘夷挙兵しようとしていたので仕官することはありませんでした。
江戸から血洗島に持っどた栄一らは長七郎から攘夷挙兵が子供だましの謀で、無謀な計画であることを諭され計画を中止します。
それでも、京に行ってでも世の中を変えたい栄一は市郎右衛門に勘当するように申し出ますが、このとき市郎右衛門は逆に栄一に援助します。
市郎右衛門は最後まで栄一家督をついてでほしいとの思いがあったからかもしれません。
しかし、13話以降も市郎右衛門の思いとは裏腹に家督を継ぐことはありません。
13話で栄一らと平岡円四郎が再会するようです。
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