幕末の江戸幕府旗本として、明治時代の官僚として活躍した「川村恵十郎」。
人並み外れた剣術の腕前を持っていたと言われています。
実際はどんな人物でどのような経歴をもった人だったのでしょうか。
川村恵十郎の経歴や平岡円四郎の暗殺時や天然理心流剣術のエピソードもあわせて、わかりやすくご紹介していきます。
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目次
川村恵十郎はどんな人
川村正平・勇父子：https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.city.numazu.shizuoka.jp%2Fkurashi%2Fshisetsu%2Fmeiji%2Fkakono%2Fpdf%2F052.pdf&psig=AOvVaw3VUFM3lISMXUh1GaBYiMa4&ust=1621952858021000&source=images&cd=vfe&ved=0CAMQjB1qFwoTCND37PLD4vACFQAAAAAdAAAAABAL
川村恵十郎（1836年～1898年）
改名：正平（明治維新後）
主君：徳川慶喜
弟：川村敬三（弘前基督公会の長老）
子：川村花菱（劇作家）
幼いころから天然理心流の剣の腕を磨いた恵十郎は、1855年に小仏関所番見習として出仕します。
1863年には普請役見習いとして一橋家に仕えることとなりました。
朝廷と幕府の折衝について慶喜に建白書を提出したり、農民募兵の担当として才能が認められたこともあり、周囲からの評価は高かったようです。
翌年の1864年に、一橋家側用人平岡円四郎が京で水戸藩士の江幡広光・林忠五郎らに襲撃された際は護衛として恵十郎が2人を切り倒すという功績を残します。
その後も慶喜に仕え、戊辰戦争後の駿河引退まで奉職しました。
維新後には名を正平と改め、大蔵省に出仕。
1874年には内務省に異動し、大久保利通に随行する形で清国に渡っています。
以後太政官・宮内省・内閣と務め1893年に内閣恩給局を退官しました。
その後、1989年までは日光東照宮で禰宜を務めるという異色の経歴の持ち主です。
平岡円四郎暗殺時のエピソード
窮地に追いやられても持ち前の剣術で切り抜ける
平岡円四郎の死因は暗殺で、「江幡広光」・「林忠五郎」らを中心に行われました。
暗殺者たちは京都の町奉行所与力長屋という場所におり、そこを通ろうとした円四郎に斬りかかったと言われています。
暗殺決行当時は恵十郎と行動を共にしており、恵十郎はとっさの出来事にも関わらず、両者を斬り倒しました。
暗殺者はその場で倒したものの、円四郎は致命傷を負っていたためその場で亡くなってしまいます。
2名を倒した恵十郎でしたが、彼自身も顔面を頭上から斬りつけられ、大けがを負ってしまいました。
英雄として女性にモテモテだった
顔に大きな傷を負ってしまった恵十郎ですが、この平岡円四郎暗殺事件によってその武勇伝とともに、京都中に評判が広がっていきました。
「武士の手本」と称され、顔に傷を負いながらも女性にモテモテだったそうです。
この傷跡に関しては、鈴藤勇次郎が「美男子の顔に傷がついて、美人から嫌われるかと思ったら、当時彼はおおいにもてたと聞きました。女たちも英雄に惚れるんだなと感服しました。」と言及しています。
天然理心流剣術のエピソード
天然理心流とは
近藤勇：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E8%97%A4%E5%8B%87
天然理心流とは、日本の伝統的な武道の流派の一つで、新選組の幹部が極めた剣術の流派でもあります。
江戸時代の後期に「近藤内蔵之助」という剣術家によって創始されました。
この流派は剣術だけでなく、居合、柔術、小太刀術などが合わさった総合武術だったため、実戦に向いていました。
稽古は実際の真剣よりも重くて太い木刀で行うこともあったようで、実戦を意識したものだったようです。
天然理心流の第四代宗家はかの有名な近藤勇で、他の新選組の幹部である土方歳三・沖田総司・井上源三郎も道場で修練しました。
川村恵十郎の剣術
恵十郎は18才のとき、天然理心流の松崎和多五郎に入門します。
天然理心流では上達のレベルを切紙・目録・中極意目録・免許と4つの段階で設定されているのですが、目録まで達するのに平均で3年ほどかかるとされる中、恵十郎は1年半で目録伝授まで進んだと言われています。
恵十郎がかなりの腕前だったことがわかりますね。
その後、二代目宗家・近藤方昌（近藤勇の義父）から師範免許を得た桑原永助の弟子である「小野田東市」に入門することになります。
小野田東市は講武所師範だったので、相当な腕前だったと考えられます。
ちなみに講武所師範となったのは小野田東市だけだそうです。
そのような環境で剣術を学んだ恵十郎はぐんぐんと力をつけていきました。
実際に、平岡円四郎の暗殺事件で人で2人の暗殺者を切り倒していますし、実戦を想定した稽古が生きているのではないでしょうか。
さすが、幕末最強の剣術と言われる天然理心流だと言えます。
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まとめ
さて、これまで川村恵十郎についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
剣術の高い腕前を持ち、平岡円四郎の暗殺時には暗殺者を返り討ちにして一躍有名になった川村恵十郎。
一橋家の家臣として務め、その後官僚や禰宜として奉職したという異色の経歴を持つ彼は、なんでもこなす多才なオールマイティーだったのでしょう。
晩年に生まれた御子息は新日本劇を創立した劇作家で、恵十郎とはまた別の方面で才能を開花させました。
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